手間暇かけた離乳食。口に入れてくれるのはいいけど、丸のみしてしまう。もぐもぐしてくれない…。初めてだとなおさら、どう対処したらいいのか困ってしまいますよね。
6年半管理栄養士として保育園で働かれていたmooomintさんにお話しをお伺いしました。

離乳食を丸呑みしてしまうこと結構あるかと思うんですけど、のどに詰まったりしたら怖いしよく噛んで食べてほしいなと思うんですが。



丸のみや、咀嚼が少ないと消化管への負担が大きくなり栄養素が十分に吸収されないんですよね。
おっしゃる通り喉に詰めたら窒息の危険もありますし。



丸呑みの悩みを解消するために実施したら良い方法をmooomintさんにご紹介いただいています。是非ご確認ください!


離乳食を丸呑み、もぐもぐしない原因



初めての離乳食、つまずいて当然です!
ただでさえ赤ちゃんのお世話で忙しいのに、中期やら、かみかみ期やら言われても混乱しますよね。



その言葉をお聞きして安心します。
「丸のみ、もぐもぐしない」とお悩みの方は、初期のごっくん期を終えた生後7ヶ月あたりを過ぎた赤ちゃんが対象になるでしょう。
丸のみ、もぐもぐしない原因には以下のことが考えられます。
- 離乳食で提供する食材が小さすぎる
- 一緒に食事を食べていない
- 食事中に声かけをしていない
- 急かしている
一つずつ順を追ってみていきましょう


離乳食で提供する食材が小さすぎる
離乳食は大人と同じ大きさや味の食事に近づくための練習期間です。
いつまでも離乳食を始めたばかりのドロドロした状態や、小さすぎるものではもちろん噛むことはできません。
生後7〜8ヶ月の中期食(もぐもぐ期)に入ったら、今まですりつぶしたペースト状から、細かなみじん切り(野菜なら2〜3mm角)、柔らかい魚はほぐすような形で提供してあげてください。
とろみも大切ですが、必要以上に与えると飲み込む癖がついてしまうので、注意が必要です。


一緒に食事を食べていない
赤ちゃんはこの世に誕生しまだ間もなく、やることなすことが未知の体験です。
初めてみるものが口に運ばれてくるのも、大人が思っているよりかなりの冒険です。
そんな初めましての食材は、お母さんや周りの大人が一緒に食べてお手本を見せてくれないと、赤ちゃんはどう食べたらいいのかわかりません。
そのため一緒に同じものを食べて、大人が食べるお手本を見せてあげることが大切です。
離乳食作りが慣れていないうちは、自分の食事をつい後回しにしがちですが、心に少し余裕があるときだけでも構いません。赤ちゃんと一緒に食事を食べることを意識しましょう。



これは目からうろこ。離乳食の時は全然一緒に食べていなかったです。
食事中に声かけをしていない
先ほどの「一緒に食事を食べていない」ことにも少し、重なりますが、声かけも重要です。
「カミカミしようね〜とか「もぐもぐしようね〜」と大人が口を大きく噛む仕草を見せて声かけをします。それでも、うまくいかない場合はほっぺたの上からツンツンと優しく指で刺激してあげてください。そうすると、咀嚼する場所が理解でき、うまくいくケースが多いです。
先ほど、「カミカミしよう」と「もぐもぐしよう」の2種類を紹介しましたが、オススメは「もぐもぐしよう」という声かけです。
カミカミだとの口を開けた形での咀嚼になりますが、もぐもぐだと口を閉じた形での咀嚼が促せるからです。
そうすると口の中で食べ物の香りが充満し、感じとりやすくなり、美味しさもアップします。
ぜひ、今までカミカミと言っていた方はこの際「もぐもぐ」に言い変えてみてください。
急かしている
ご飯を早く食べさせないと、遅れちゃう!早く食べさせて寝かさなきゃ!早く食べてもらって片付けたい…という日もあるかもしれません。
ただ急かすのは気を付けてくださいね。丸のみやもぐもぐしないだけでなく、誤って気管に入れば窒息のリスクにも繋がります。
おおらかな気持ちで、赤ちゃんと接して食事の場所は楽しいという雰囲気作りを大切にしましょう。
丸呑みやもぐもぐしない原因かも?離乳食の進め方の目安


離乳食の時に使う椅子に悩んでいる方はこちらも読んでみてください


離乳食とは口の中の発達を助ける役割をし、母乳やミルクだけでは不足してくる栄養素の補給のために必要な食事のことです。



離乳食の各段階はこんな風に呼ばれていますよ
- 生後5〜6ヶ月は初期食(ごっくん期)
- 生後7〜8ヶ月が中期食(もぐもぐ期)
- 生後9〜11ヶ月が後期食(かみかみ期)
- 12ヶ月〜完了食(ぱくぱく期)
それぞれの段階で、徐々に固さや大きさに変化を加え、幼児食・大人と同じ食事に向けて、練習する期間となります。
離乳食を始める時期(ごっくん期)
一般的に生後5〜6ヶ月頃からスタート言われ、具体的には目安が当てはまれば、離乳食を始めることができます
初期は生後およそ5〜6ヶ月。口を閉じてごっくんと飲み込む時期です。
始めは粒のない滑らかな状態で、とろみのあるポタージュ状にします。
- 首がしっかりすわっている
- 食べ物に興味をもっている
- スプーンを下唇にのせてみて押し出したりしない
- 支え座りで安定している
- 生活リズムが整っている
初期(ごっくん期・1回食)→中期(もぐもぐ期・2回食)
中期は(もぐもぐ期)は生後およそ7〜8ヶ月
舌で押しつぶせる固さ(豆腐ぐらい)が目安です。野菜は2〜3mm角に。
肉や魚はほぐしてあげますが、口の中でまとまりづらいのでとろみをつけます。



離乳食初期のごっくん期からもぐもぐ期への移行の目安はこの2つです。
- 初期食を始めてから1〜2ヶ月が経過
- ごっくんと上手に飲み込めることが確認
またこの時期には下に乳歯が生え始める頃。
そして舌の動きが初期では前後運動だったのに対し、中期になると上下運動できるようになっています。
舌の動きを大人が確認するのは難しいですが、他にも実は変化があります。
中期(もぐもぐ期・2回食)→後期(かみかみ期・3回食)
後期は(かみかみ期)は生後およそ9〜11ヶ月。
歯茎で押しつぶせる固さ(完熟バナナぐらい)が目安です。野菜は5〜7mm角に。
後期にして始めはとろみが必要ですが、上手に噛んで飲み込めていれば片栗粉の量を減らして徐々にとろみをなくしてOKです。



中期から後期への移行の目安はの移行の目安はこの3つです。
- 中期食を始めてから1〜2ヶ月が経過
- 2本ずつ上下に乳歯が生える
- 自分で食べようとする行動が見られる
口の中の空間が大きくなり、舌が左右にも動くようになります。
また奥歯の歯茎の厚さがまし、舌で食べ物を運び歯茎ですり潰すことができます。
後期(かみかみ期・3回食)→完了(ぱくぱく期・3回食)
完了期は(ぱくぱく期)は生後およそ12ヶ月〜。
固さは肉団子ぐらい(大人より柔らかめ)が目安です。野菜は2cm程度のスティック状でも食べることができます。



後期から完了への移行目安は次の2つです。
- 後期食を始めてから1〜2ヶ月が経過(月齢1歳〜)
- 奥歯が生える(前から4番目の臼歯)こと
奥歯が生えることで、粉砕、すり潰しが可能になり食べられるものの幅がぐんと広がる時期です。
舌の動きも自由に動かすことができるのも特徴です。
また始めは口に入れる動きは横から取り込みますが、徐々に正面から取り込むことができるようになります。
この時期に積極的に行って欲しいのが手づかみ食べです。
手づかみ食べは、手から口への距離、食材の硬さ、量を自分で把握するために必要な過程です。
手で触れることで食材の重さや温度を感じ、柔らかいのか硬いのかどのくらい噛めばいいのか考えるなどの経験を積むだけでなく、脳の発達に直結します。
にんじんや大根など手でつかみやすいものを約1.5cm×約5cmに切り、茹でた野菜スティックが手軽でおすすめです。
さらにスプーンやフォークなどの食具も使うことが可能になります。
離乳食の各段階への注意点や大切なこと





離乳食の各段階への月齢はあくまでも目安ということを心にとめておいてください。



その月齢になったら移行しなきゃとあせっちゃいそうですが、焦らなくてもいいんですね。
離乳食の各段階への移行の目安として舌の動きを見ることは難しいですが、口角の動きなら見えるのでよく観察してみてくださいね。
段階があっていないと離乳食をまるのみしてしまったり、モグモグしないといった悩みにつながりやすいんですね!
- ちゃんと口に入れて丸飲みせず咀嚼してごっくんと嚥下できていること。
- お子さんが喜んで食事の時間を過ごしていることです。
どの段階の移行で注意してほしいことは共通しています。
- 移行の過程でそれぞれの目安の変化が見られない。
- 口から出して食べない、嫌がる。
といった状態が見られれば移行は直ちに中止して、元の形状に戻してあげましょう。
発達に合わない形状は、丸呑みや窒息につながるので必ずそばで見守ることが大切です。
余裕がない時は無理に以降はせず、そのままの状態で様子を見て構いません。
赤ちゃんが離乳食を丸呑みしてしまう、モグモグしないの対策のまとめ
赤ちゃんが丸のみやもぐもぐしないお悩みについてお答えしていきました。
もしかして下記の理由が原因かも?
- 離乳食で提供する食材が小さすぎる
- 一緒に食事を食べていない
- 食事中に声かけをしていない
- 急かしている
赤ちゃんの成長には、その時期に適切な形の離乳食が必要不可欠です。
それぞれの離乳食の移行の目安も参考にしてみてくださいね!
また、色んなものを食べて経験を積むだけではなく、楽しくて温かな雰囲気で過ごすという経験も同じくらい大切です。
離乳食作りは決して楽ではありませんが、地道に乗り越えていきましょう。



その他にも栄養士さんにお聞きしたベビーフードの上手な使い方についてお聞きしてます。
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